J-REITレビュー

 J-REITの2025年下期(2025年7月期~2025年12月期)の1口当たり分配金は前年同期比+6.3%(対象銘柄の中央値。以下同様)と大きく上昇し、1口当たりNAVも同+2.4%とプラス成長が継続しています(p2)。
 コロナ禍前の2019年下期を100とすると、1口当たり分配金は2025年上期の111から2025年下期は115へと更に上昇し、分配金のベースとなる売却益を除いた賃貸EPSも101から103に上昇しました。賃貸EPSの分配金に対する比率は87.2%で、2025年上期の87.1%と同水準です(p3)。
 負債コストは、調達年限の短期化や変動借入の活用で抑制しているものの、上昇が進行しています。自己投資口取得は減少したものの、エクイティ調達は引き続き低水準で、LTVを引き上げて借入で物件を取得する動きが続いています(p8)。
 取得物件の利回りはやや低下したものの、良好な売買市況の下で鑑定評価額を上回る価格での物件譲渡ができています(p7)。保有物件の収益性は、ホテルが好調な運営状況を反映した変動賃料の増加で大きく上昇、住宅、オフィス、物流も賃貸費用の増加を上回る賃料増額で上昇しました(p6)。
 J-REIT全体の2025年下期の当期利益の総額は4,336億円で、過去最高を更新した売却益668億円がその15.4%を占めます(p4)。内部留保繰入・取崩や利益超過分配を加味した分配金の総額は4,072億円で利益総額を下回り、内部留保残高は2,379億円に増加しました(p5)。含み益は2025年下期の分配総額の約15倍に相当する6.3兆円で、一部が売却益として投資家に還元されていますが、不動産価格の緩やかな上昇が続いており、過去最高です(p4)。

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