「不動産投資に関する調査 2025年」 -調査結果-
~年金基金および機関投資家に聞いた最新の不動産投資動向~

調査結果 要旨

株式会社三井住友トラスト基礎研究所では、2012年から「不動産投資に関する調査」を実施している。第14回目となる今回は、2025年11月~12月にかけて実施し、定例の質問項目に加えて、国内外の政治動向や日銀の金融政策等に起因する金利の先行き不透明感を踏まえた不動産投資方針の変更の有無を確認した。

<調査対象と方法>
- アンケート送付先:292(年金基金:158、機関投資家等(以下では「機関投資家」とします):134)
 機関投資家等・・・銀行、保険会社(生損保)、共済組合、リース会社等
- 回答数:82(年金基金:46、機関投資家:36)(有効回答率:28.0%)
- 調査時期:2025年11月~12月
- 調査方法:WEB・郵送による調査票の送付・回収

調査結果の注目ポイント

グラフ中の「n」は、有効回答数を示します

<国内金利環境の変化による不動産投資方針への影響>
金利の先行きを見通しづらい中、大半は投資方針を維持するも一部で投資拡大の動き

  • 国内外の政治動向や日銀の金融政策等に起因する金利の先行き不透明感を受け、2025年以降の国内不動産投資方針について、大半は「変更予定なし」との回答であった。ただし、「既に変更した」「変更予定あり」との回答割合の合計が、年金基金:16%、機関投資家:35%あり、不動産投資方針に一定程度影響があったことがうかがえる。変更の具体的な内容としては、「不動産投資を拡大する」「物件タイプを拡大する」が上位を占めた。これは、金利上昇のマイナス影響以上に、物価上昇に伴う賃料上昇が期待できる環境となり、「不動産投資を拡大する」、「物件タイプを拡大する」という積極姿勢への変更が上位を占めたものと考えられる。

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<今後、投資を開始あるいは増加させたい不動産投資>
年金基金は国内私募ファンド(クローズドエンド型)、機関投資家はJ-REITの増加が目立つ

  • 今後投資を開始あるいは増加させたい不動産投資については、年金基金では「国内不動産を投資対象とした私募ファンド(オープンエンド型)」 (38%)が前回調査に引き続き最多となったが、前回調査からは7%ポイントの減少となった。次いで「国内不動産を投資対象とした私募ファンド(クローズドエンド型)」が25%となり、前回調査の10%から大幅増加し、調査開始以来の最高値となった。機関投資家では、「国内不動産を投資対象とした私募ファンド(オープンエンド型)」「J-REIT」が各22%で最多、次いで「国内不動産を投資対象とした私募ファンド(クローズドエンド型)」が15%となった。前回から「J-REIT」が4%ポイント増加した。年金基金、機関投資家ともに、過半が国内不動産投資商品となり、前回調査に引き続き国内回帰の姿勢が見られる。

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<今後の不動産投資で検討可能な運用スタイル>
引き続きコア運用が主流も、オポ・バリューアッドへシフトする動き

    • 不動産投資を行う際に検討可能な運用スタイルについては、年金基金では「コア」が59%、機関投資家では45%を占めた。コアファンドへの選好は引き続き強いがその割合は年金基金・機関投資家ともに減少傾向にある。「バリューアッド」の回答割合は年金基金で32%、機関投資家で34%となり、リスク・リターンレベルを一段階上げたバリューアッド投資へ3割前後のニーズが向かいつつある。特に機関投資家では28%から34%へと大きく増加している。一方、「オポチュニスティック」「開発型」の回答割合の合計を見ると、年金基金(計9%)と機関投資家(計21%)で乖離しており、両者のリスク許容度の違いがうかがえる。機関投資家では、「開発型」が10ポイント減少の5%となり、運用スタイル選択傾向が昨年までの開発ファンドからオポチュニスティックやバリューアッドファンドに向かいつつある。

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「不動産投資に関する調査 2025年」 -調査結果- (PDF:1.4MB)

過去の調査結果