不動産私募ファンドに関する実態調査
~2026年1月 調査結果~
- 調査対象:国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社 |
不動産私募ファンドの市場規模は、私募REIT・グローバルファンドを含めて47.1兆円と推計
- 上記アンケート結果およびヒアリング・公表情報をもとに、2025年12月末時点の不動産私募ファンド(私募REIT・グローバルファンド含む)の市場規模(運用資産額ベース)を47.1兆円と推計した。この数値は、ARESが把握している国内私募REITおよびSMTRIが把握しているグローバルファンド(※)の国内不動産運用資産額を含んでいる。前回調査した2025年6月末時点の運用資産額44.9兆円から約2.2兆円増加し、増加幅は+4.9%となった。運用資産規模を拡大させた運用会社数は、規模を縮小した運用会社数を大幅に上回っており、国内系・外資系運用会社双方で運用資産を大きく増加させたケースも相当数みられた。市場規模の増加幅は前回調査の+10.0%からはやや鈍化したものの、私募ファンド市場の着実な拡大が継続している。
- 2025年12月の日銀による政策金利誘導目標引き上げ(0.50%⇒0.75%)や高止まりする建築費など不動産市場への影響が懸念されるものの、金利先高感や建築費高騰による運用会社各社の投資方針変化に関する回答結果からは大きな変調は見受けられない。一方で、国内投資家全体で「投資額増加」の回答が減少し、「投資額減少」の回答が増加となり、その投資額に陰りが見られる結果となった。海外投資家においては、全ての属性で「減少」の回答がない一方で、ファンドオブファンズ・その他を除く全ての属性で「増加」の回答割合が減少しており、特に海外機関投資家や海外富裕層では「増加」の回答割合の減少傾向が顕著である。日本が金利上昇局面に入る中で、海外投資家の日本への不動産投資に対する姿勢は、積極姿勢と様子見姿勢に分かれていると考えられる。また、不動産価格の高止まりと金利上昇懸念により、利回り確保の観点でレバレッジを高める動きがやや強まり、ファンドの平均LTVの上昇傾向が継続している点には留意が必要である。
※グロ-バルファンド・・・日本以外の国も投資対象とするファンドとして定義
エクイティ投資意欲は概ね堅調。現時点で日銀の利上げ、建築費高騰の影響は限定的だが、今後の動向には注視が必要。
- 資金調達環境と不動産取引状況をまとめると、国内金利の先高観を受けて、一部のエクイティ投資家に慎重姿勢がみられるものの、日本への投資を積極化させている海外投資家も存在し、デット調達環境も特段変化がないとする回答が多い。現段階では、2025年12月の政策金利引き上げ(0.75%)や国内長期金利の上昇による影響は小さく、概ね良好な状態が維持されている。不動産ファンド運用会社による不動産取引では、2025年上半期に物件取得を行ったとの回答割合が74%となり、2024年7月調査と並び最高値となった。
- 金利の先高感による投資方針への変化に関する質問では、「変化があった」とする回答は23%にとどまり、「変化がなかったし、今後も当面ない」が44%で最多となった。ただし、投資方針の変化はなかったが「今後の状況次第では投資方針変更を検討する」との回答が33%あり、「変化があった」との合計で56%と過半を占める状況であり、金利動向には引き続き留意が必要である。建築費高騰による投資方針への変化に関する質問では、「変化があった」とする回答は26%となり、「変化がなかったし、今後も当面ない」は50%で最多となった。ただし、投資方針の変化はなかったが「今後の建築費高騰によっては投資方針変更を検討する」とする回答が24%となり、今後の建築費次第で変更を検討する姿勢を示す運用会社も一定数にのぼる。
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