新規事業開発室長 上席主任研究員
菅田 修
データセンター関連レポート Vol.1
不動産市況から読み解く今後のデータセンター市場における注目ポイント
要約・概要
- 2020年に発生したコロナ禍の影響でホテルや都心型専門店は期待利回りが一時的に上昇へと転じたが、2021年以降は再び低下圧力がかかる局面にある。
- 不動産価格の高騰が指摘されるようになった2016年頃からは不動産取引件数(取引金額が1億円以上、金額が不明の場合は延床面積1,000㎡以上が集計対象)が年間1,000件前後の水準を維持し、コロナ禍において経済活動が制限されていた2020~2022年においても大幅な減少とはならずに推移している。価格高騰が不動産取引の減少には明確に繋がっておらず、不動産投資環境は良好な状況が継続している。
- 弊社が不動産証券化協会と年に2回実施している「不動産私募ファンドに関する実態調査(2025年1月)」において、データセンターに対する投資額は、「増加」と「やや増加」の合計が国内投資家で33%、海外投資家で35%となり、「やや減少」や「減少」との回答はなかったことから、日本におけるデータセンター投資は足元では純増の局面にある。
- 生成AI向けのデータセンター供給が地方都市でのデータセンター供給を加速させるかもしれない。生成AI向けのデータセンターは一般的に従来のハイパースケール向けデータセンターよりも大容量の電力が必要になると言われている。必要な電力量が巨大化すればするほど、それだけ環境負荷の増大にもつながる。そのため、確保した電力を有効に活用する観点から、PUE(電力使用効率:Power Usage Effectivenessの略)を低水準にできるかどうかにも関心が高まっている。
(本レポートは、株式会社インプレスが2025年1月に発刊した「データセンター調査報告書2025」に掲載された原稿(作成時点:2024年11月)をもとに、加筆・修正したものである)