投資調査部 上席主任研究員
川村 康人
J-REIT不動産価格指数・NOI指数・キャップレート(2025年版)
要約・概要
- J-REITによる2025年2月末までの不動産取引および2024年12月末までの決算データを用いて、主要3用途(オフィス、住宅、物流施設)の不動産価格指数、NOI指数、キャップレートの動向を算出した。
- オフィスの不動産取引価格は、2023年末頃まで上昇が続いたものの、2024年半ば以降は緩やかな下落に転じたとみられる。不動産価格(=NOI÷キャップレート)の分子であるNOIは、賃貸市場の回復を受けて緩やかに上昇しているものの、分母のキャップレートがそれ以上のペースで上昇に転じたため、不動産価格が2024年半ば以降、緩やかな下落に転じている。
- 住宅の不動産取引価格は、2023年に続いて2024年中も緩やかな上昇が続いた。不動産価格(=NOI÷キャップレート)の分子であるNOIが堅調に推移すると同時に、分母のキャップレートも緩やかながら低下が進み、分子・分母の両要因が不動産価格の押し上げに寄与している。
- 物流施設の不動産取引価格は、2024年前半は一部のディスカウント取引事例により下落傾向となっていたものの、2024年末頃には2023年と概ね同水準に回復した。
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