三井住友トラスト基礎研究所は、2003年12月より、不動産私募ファンドを組成・運用している企業へのアンケート調査、ヒアリングおよび各種公表データや報道資料に基づいて、不動産私募ファンドの市場規模やファンド組成動向などを公表しています。

2026年6月末時点の市場規模

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<不動産私募ファンドの市場規模は、私募REIT・グローバルファンドを含めて推計52.2兆円>
 2026年6月末時点の不動産私募ファンド(私募REIT・グローバルファンド含む)の市場規模(運用資産額ベース)を52.2兆円と推計した。この数値は、ARESが把握している国内私募REITおよびSMTRIが把握しているグローバルファンド(※)の国内不動産運用資産額を含んでいる。前回調査した2025年12月末時点の運用資産額47.1兆円から約5.1兆円増加し、増加幅は+10.8%となった。運用資産規模を拡大させた運用会社数は、規模を縮小した運用会社数を大幅に上回っており、国内系・外資系運用会社双方で運用資産を大きく増加させたケースも相当数みられた。市場規模の増加幅は前回調査の+4.9%から大きく拡大し、私募ファンド市場の着実な拡大が継続している。
 金利の先高感や、高止まりする建築費など不動産市場への影響が懸念されており、運用会社各社の投資方針変化に関する回答結果でも、影響の強まりが窺える。また、国内投資家全体では、前回調査と比較すると、多くの属性で投資額の「減少」の回答割合が増加した。海外投資家においては、前回調査ではゼロであった「減少」の回答が今回調査では全ての属性でみられるようになったが、ほとんどの属性で「増加」が「減少」を上回っている。金利上昇局面が本格化する中で、国内不動産投資に対して慎重姿勢を見せる投資家が増加しているものの、引き続き投資額を増加させている投資家もみられる。日本が金利上昇局面に入る中で、海外投資家の日本への不動産投資に対する姿勢は、積極姿勢と様子見姿勢に分かれていると考えられる。一方、不動産価格の高止まりと金利上昇懸念により、近年、利回り確保の観点でレバレッジを高める動きがやや強まっていたが、今回の調査ではLTV水準は頭打ちとなっている。LTV水準の推移については、金利動向とあわせて引き続き注視する必要がある。
(※)グローバルファンド・・・日本以外の国も投資対象とするファンドとして当社が定義

<エクイティ、デット共に資金調達環境は厳しくなっているが、不動産ファンドの物件取得は過去最高値。ただし、金利上昇と建築費高騰の影響が徐々に現れ、今後の投資方針変更には留意が必要>
 資資金調達環境は、国内金利の先高感を受けて、エクイティ投資家に慎重姿勢がみられ、デット調達環境は、特にリファイナンスの際には調達金利の上昇幅が大きくなり、調達環境が厳しくなっていると考えられる。一方で、不動産取引状況は、不動産ファンド運用会社において2026年上半期に物件取得を行ったとの回答割合が76%となり、過去最高値となった。
 金利の先高感による投資方針への変化に関する質問では、「変化があった」とする回答が、前回調査の23%から34%に増加した。「投資方針変更を検討する」目安の10年国債金利の金利水準として、3.0%以上とする回答が最多を占めた。変化の内容については、「投資額の縮小(減少)」の回答が最多となり、「取得価格目線の低下」、「投資期間の短期化」、「投資エリアの地方拡大」、「LTV水準の上昇」と続いた。投資額を抑えながら、利回りを確保できる戦略・物件を探索する姿勢がうかがえる結果となった。
 建築費高騰による投資方針への変化に関する質問では、「変化がなかったし、今後も当面ない」は46%で引き続き最多ながら前回調査より割合は減少、一方で「変化があった」とする回答の24%に加えて、「今後の建築費高騰によっては投資方針変更を検討する」とする回答が30%まで増加し、今後の建築費次第で投資方針が変更される可能性が高まっている。

より詳細な資料はこちら

「不動産私募ファンドに関する実態調査 ~2026年7月 調査結果~」(PDF:1.9MB)
─ 不動産私募ファンドの市場規模を私募REIT・グローバルファンドを含めて52.2兆円と推計

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